実際、日本特殊農産物協会の実態調査においても伸びの傾向を示しています。また、ハーブ育成の過程では高齢者や障害者の方でもできる作業は多く、ふれあいの里のコンセプトにも合致している面があると思います。 その一方で、ハーブは地域性、気候にも影響を受けると聞きます。
また、特殊農産物についてでありますが、当地域は県下では土地並びに労働生産性においてどちらも低いことは既に御承知のとおりであります。生産性の低い要因として、生産基盤である耕地条件が高生産性作物の育成を困難にしているのも一つの要因であります。当地域では土地条件に合った収益性の高い作物を幾つか導入し、育成が試みられておりますが、産地として定着するには十分な面積を持った作物が少ないのが現状であります。
現在、果樹関係では、本渡市あるいは栖本町のセミノール、あるいは植木町のスモモ、横島町のイチジク等が定着しつつありますし、いずれも十アール当たり三十ないし五十万円と高い収益を上げており、また、薬用植物や山菜等の特殊農産物につきましても、サフラン、ミシマサイコ、サンショウ等では二十万円前後の粗収益を上げている事例もあるわけでございます。
特殊農産物の振興につきましては、昭和四十八年以来、県内及び全国各地の調査を行い検討を加えた結果、有望と見られます薬用植物、山菜等十五品目について、過疎地域、山村を中心に試作展示を行い、適地性の検討と栽培技術の確立に努めてきたところでございます。